病院の仕事に戸惑いを感じる新人薬剤師や薬学生の方へ

これから、頑張ろうと決めて、病院へ就職する薬剤師の方や薬学生の方もたくさんいると思います。
実際に実務で、働いてみると「自分の予想していた業務」と違いが見られたり、仕事の覚え方に戸惑いを感じたりしがちですよね。

教育制度がしっかりしていたり、病院での薬剤師やスタッフにめぐまれると、戸惑いを感じつつもきちんと成長することができます。
ここでは、病院に就職や転職したときに、ありがちな「戸惑い」についてまとめてみます。

きちんと対応することで、半年後、1年後に大きく成長することができますよ。

病院の仕事に戸惑いを感じている新人薬剤師や実習を受ける薬学生の方へ

初めて病院での業務をする方は、業務に戸惑うものです。

業務で大きく戸惑う「医薬品の配置」、「調剤」、「麻薬の取扱」、「服薬指導」について、まとめてみます。

医薬品の配置

病院は、医薬品の種類や量が多くなります。薬局で標準とされる医薬品の在庫は約800〜900品目ですが、病院の標準は、2倍の1500〜2000品目になります。
機能病院等や特に取り扱う医薬品が多く病院になると2500〜3000品目まで在庫している病院があります。

一般的には、医薬品の保管棚には、「英語と数字」が表記されており、ファイリングされてある医薬品集にはその配置が示され、実際の棚を探すと、医薬品が見つけられるようになっています。

大型の本屋で、探している本を検索ナビで探し、その場所が示されてから、エリアを探す経験は、皆さんあると思います。それと同じです。

病院の医薬品の棚割は、薬効ごとに保管されていることが多いです。
「あいうえお」順に保管されている病院もありますが、新人の薬剤師が戸惑うのは、薬効ごとに保管されており、医薬品がどこにあるか分からないという場合です。

どうしても見つけられなければ、ファイリング等で確認するので構いません。しかし、全ての医薬品を検索していたら、時間がかかり、業務に支障がでてしまいます。

最短で、医薬品の保管棚割を把握するには、薬効ごとに陳列されている場所を自分で大きく捉えて、概略のレイアウトを自分で作成し、覚えてしまうと対応が早いです。

実務を繰り返するにつれて、自然に覚えられますが、覚えるまでの時間がかかりすぎると、不安が生じますので、試してみてください。

医薬品の商品名

大学の薬理学、薬物動態学、製剤学、有機化学等の講義で習ってきたのは、全て医薬品の成分名です。
しかし、実際に保管されている医薬品や実務で患者さんや医師、他の医療職に対応する際は、医薬品の商品名になります。

処方せんの記載についても、一般名での記載であれば、医薬品の成分が分かり対応しやすいですが、商品名での記載が多いです。
この場合、薬剤師にもかかわらず、医薬品の情報が把握できないことになります。


(例)
(成分名)アムロジピンベシル散塩類   ←    (商品名) ノルバスク


※成分名は、降圧剤のCa拮抗剤とすぐにわかりますが、商品名から成分名の判断が難しいです。

これを最短で対応するために、処方せんを調剤するたびに、商品名と成分名を意識して、メモ化していきます。
あとは、英単語を覚えるように、対応させていけば、早く覚えられますよ。

調剤

計数調剤(錠剤、カプセルや外用薬の調剤、注射薬)に関しては、大丈夫でしょう。
簡単に調剤できますが、調剤時間が短いため、間違えやすい傾向になります。そのため、時間をおいて、監査を徹底するようにしてください。規格や数量の間違いがないかを再確認しましょう。

散剤や水剤についてですが、最新式の監査システムが導入されている病院では、調剤過程が記録されます。
薬の適正量が監査システムにデータ化され、調剤しているときに利用できますが、まだまだ多くの病院では、人の調剤の監査に頼っているのが現状です。

調剤するときは、自分が秤量した医薬品名、量を記録するようにしてください。その記録したメモと調剤した薬を監査に回します。監査が終わるまでは、自分が調剤した散剤瓶や水剤瓶は棚に戻さないようにしましょう。

散剤は特に白いものが多いです。監査時に、外観だけでは何を調剤したのか分かりません。
人は忙しいときなど特に、自分が秤量したものをあまり意識しないで、調剤してしまうことが起こり得ます。

無意識でも、調剤事故のリスクを少なくする調剤をして、ルーチン化することで、事故を防ぐことができます。

また、複数の散剤、水剤を調剤する場合は、薬剤のコンタミネーションを防止するため、賦形剤等で、しっかり分包機を洗うようにしてください。

麻薬の取扱

新人のときに、一人で完全に業務に携わるのは少ないと思いますが、麻薬の取扱いに関しては、注意が必要です。
麻薬及び向精神薬取締法で、厳しい規制がかかっております。

まず、麻薬処方せんを受けたときは、麻薬の医薬品名と規格を正しく確認して、正しい麻薬を用意します。
調剤するときですが、焦らすに行いましょう。計数調剤は、麻薬の数と規格をしっかり確認します。

散剤の場合は、分包機がきちんと作動することを事前に、賦形剤で確認してから調剤しましょう。

調剤が終わったら、残りの麻薬の数が麻薬帳簿と一致しているかを確認します。
そして、麻薬の実務担当者等に、麻薬を使用したことを説明して、麻薬の帳簿を記載します。

麻薬は、他の規制薬とは異なり、法律で麻薬の払い入れ、払い出しを記載することが義務付けられておりますので、報告が必要です。

注意して調剤しますが、調剤中にアンプルを落としてしまった場合や、PTPシートを爪で破いてしまった場合、散剤の分包を間違えてしまった等の事故が起きた場合は、必ず速やかに、職場の上司に報告しましょう。

また、回収できる麻薬は、回収して保管します。

麻薬は、患者さんに交付する前の麻薬を廃棄する場合は、行政職員立会いのもとで、廃棄する必要が法律で義務付けられています。自分で勝手に、判断して捨ててしまったりすると、トラブルになりますので、気を付けてください。

服薬指導について

新人の薬剤師の方とベテランの薬剤師の方では、服薬指導の説明が、かなり違います。
時間をかけて、自分なりの服薬指導をしていくことになると思います。

新人薬剤師の方は、自分が知っている知識を、患者さんに説明しようとする意識が強い傾向があります。

ベテランの薬剤師の方は、逆です。
患者さんの状態をよく傾聴し、話すべきポイントを押さえたうえで説明します。

自分本位の説明ではなく、患者が必要とすべき、情報を提供することが大切です。「まず、患者さんに聴く」という意識にすると、服薬指導はだいぶ変わってきますよ。

また、使用方法に注意が必要な医薬品では分かりやすい説明が求められます。
喘息の吸入薬や糖尿病のインスリンのキッド等の使用方法について、患者さんに分かりやすい説明が必要です。製薬メーカーが作成した説明書に基づいて、説明すると思いますが、実物がないと分かりにくい場合もあります。

説明する薬剤師が、実際に医薬品の実物を手に取ってみないと、「自分の言葉で分かりやすく説明する」をイメージができないので、難しいものです。

病院の医薬品発注担当や製薬企業のMRに、見本や試供品がないか確認してみてください。
薬剤師がまず、医薬品に触れてみたうえで、患者さんに説明するとだいぶ違うと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

薬剤師。既婚。病院、薬局、ドラッグストア、公務員として全ての職場を経験しています。病院薬剤師では調剤と病棟業務を、薬局では調剤と在宅業務を、ドラッグストアでは調剤とOTC医薬品の販売を、公務員では医療機関と薬事施設の開設許認可を担当してきました。 趣味はネコ、ガーデニングとブログです。